秘密結社ゼディス

ゲーム「The Elder Scrolls V : Skyrim」の世界を土台にして創作した、
独自設定の創作小話を連載しています。
多量のMod導入環境が舞台のため、
ロアフレンドリーではないことをご承知の上で御覧ください。

Episode11-お前を見ている 03

11-3-1



セリン「実を言うとね。こちら側では既に、君たちウェイレスト魔術師サークルの実情がどのようなものか、ほぼ把握している」

そう言われて、警戒するオタマ。
当然のことだった。

オタマ「……何を、知ってるって?」

ウェイレスト魔術師サークル。
彼女の所属は、そもそもあまりメジャーな組織ではない。





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Episode11-お前を見ている 02

セリンは、手の内のコップで軽く喉を湿らせると、語りだす。

セリン「あれは、6年前のことだ。第4紀195年。僕は、スカイリムの北東、ウィンターホールド大学に入学していた」


11-2-2


ウィンターホールド大学は、スカイリムにある唯一の魔術師ギルドだ。
亡霊の海に浮かぶ孤島に、ウィンターホールドの要塞から橋が架かっている。
その本土と切り離された立地から見ても、スカイリムで忌避される魔術師というものを象徴しているような建物だった。

セリン「あそこの住民は、大学以外何もないところだと言うけど、ほぼ正しい。元々は災害でそうなってしまっただけらしいが、それから壊れた家屋を何十年も放置してるのは首長が怠けているとしか思えないな」





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Episode11-お前を見ている 01

あれほど鬱陶しかった戦輪は、すっかり消え去っている。
オタマは、夜母の周囲のマジカの支配が止まったのを感じ取っていた。

オタマ「……手こずらせやがって」

そのまま、倒れた相手の所まで歩いていく。
戦意は冷めきっていたが、この脅威を放置しておくわけにはいかない。
たとえ無抵抗でも、トドメだけはさしておくつもりだった。
……のだが。


11-1-1


セリン「ストップ。残念だが、その娘を殺させるわけにはいかないな」

セリンがそれよりも先に、漆黒の身体を抱え起こしていた。

オタマ「こんな危ない奴生かしておくなんて、正気?」

セリン「危ない奴は消えてるよ。もう、とっくにね」

オタマ「……はぁ?」

その足元から、力のない声が響いてくる。





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